高校数学-忘れがちな計算過程
題名の通りです。リストアップしました。
目次
以上。
というのもこの後は内容が薄いので、目次で「あっわかるな」と思ったらスクロールしないのをお勧めします。
1.方程式
両辺を2乗した後、最後に検算する。
なぜしなければならないのかというと、2乗は絶対値になるという性質のためです。
例えば、仮に という式があったとします。
その両辺を2乗すると、
このように、ありもしない という式が出てしまいます。それを防ぐために検算が必要なのです。
例を以下に示します。
問:方程式 を解け。
解:
を与えられた方程式に代入:
左辺 , 右辺
よって 左辺 右辺
を与えられた方程式に代入:
左辺 , 右辺
よって 左辺 右辺
分母に変数がある場合、予め定義域を設定する。
その理由は0除算を防ぐためです。分母が0の分数は定義できないので、あらかじめそれを防ぐために定義域を設定します。
例を以下に示します。
問:方程式 を解け。
解:
分母から
だから
対数関数の時、真数条件を確認する。
別に真数条件を確認しなくても値は何かしら出せますが、例えば下のような対数関数があったとします。
変換
このとき、 が底ですね。
試しに、 にマイナスをつけて、 に を代入してみます。
するとこのように、虚数単位が出てしまいました。この単元で虚数単位が出てくるのは高校数学の守備範囲外ということですね。単純にめんどくさいですからね。
以下に例を示します。
問:方程式 を解け。
解:
真数条件を示す。
よって、
与えられた方程式は、
となる。両辺の真数を比較して、
真数条件より、
2.不等式
両辺を変数で割る場合、変数の値によって解が違うことを示す。
どういうことかというと、方程式の両辺を変数で割ると、不等号の向きが次のようになります。
- 変数 であれば、不等号の向きは変わらない。
- 変数 であれば、不等号の向きは変わる。
マイナスがついている数字で割るときは皆不等号を反対にするんですが、変数で割るとなるとそのまま計算する人が結構いると思います。
補足: 変数で両辺をかける時も気を付けてください。そうする機会があんまりないので補足という形で書きましたが。
以下に例を示します。
問: を について解け。
解:
すなわち である時、
すなわち である時、
の時、 , の時、
指数関数、対数関数
手順は3つあります。
- [対数関数]真数条件を確認する。
- 底をそろえる。
- 0>底>1の時は、不等号を反対にする。
3の説明は簡単です。
底が1より大きい場合、1乗,2乗,3乗,・・・とすると値は大きくなりますが、
0>底>1の時は、1乗,2乗,3乗,・・・とすると値は小さくなるからです。
例を以下に示します。
問: 不等式 を解け。
解:
真数条件は、 すなわち、 である。
与えられた方程式は、
となる。両辺の底が等しく、 底 だから、
3.部分分数への分解
公式: 部分分数への分解
以下の公式は左辺の分子の次数が分母の次数より低い時だけ成り立つ。
下記の公式はあるルールに従って構成されている。
ルール1: 分数式の分母を因数分解し、その因数が分母となる分数式の和に直す。
ルール2: 分母が 次式の分数の分子は予め 次式として設定する。
ルール3: 文字を含む因数が 乗の時、変換する分数式のそれぞれの項の分母にその因数の 乗、 乗、 乗 を設定する。
その際 次式の因数の何乗の分母でもその分子は 次式として設定する。
以下に例を示します。
4.常用対数による近似計算
この計算は現代では全く使いません。しかし、数学の教科書に載っており、そして僕もよく忘れるので書きます。
スマホ、PCがないかわりに常用対数表をもっているという非常に特異で稀な状態で役立ちます。多分一生使わないでしょう。
常用対数表は1以上10未満の0.01ごとの数の常用対数を調べることができる(その逆も可)ので、どうにかしてそのような数に分解していく必要があります。明確に言うと、例えば次の場合、
或いは
か のどちらかがわかればもう一方の値も知ることができます。
一般に、 を の真数、 を常用対数といいます。
以下に例を示します。
問: 常用対数表を用いて を ( , は整数 ) の形に直せ。 は少数第二位まで求めよ。
解:
の常用対数の値は、
よって、
であり、 でもある。常用対数表より、
終